納品形態のながれ(CM編)
  • 映像技術
  • 2014-12-16

  • *ここで述べる技術は一般の方にわかりやすくするためにシンプルに書いています。

    最近、若い人がVHSテープをしらないという衝撃なことがありました。
    「ベータというのがあってな」という話ができなくなり、さびしいかぎりです。

    前の記事で「CGもフイルム納品」と書きました。
    読んだ人からどういうこと?との反応がありましたので、今回は納品形態の
    ながれを書きたいと思います。

    80年代の半ば、主にCMはフイルムで納品していました。
    当然、私達のCGもフィルムに変換して納品しなければなりません。

    CGの納品は以下のプロセスでフィルムにします。
    1.CGで一枚づつ絵を描いて、24枚たまったらオープンリールに
      データとして記録します。
      ちなみに「24枚」はフィルムで1秒分です。
    オープンテープ
    2.そのテープを「フィルムレコーディング」という機械にかけます。
      デジタルデータを読みこんで、一枚ずつ、レーザーで
      フィルムに焼き付けていく時間のかかる工程です。
    3.出来上がったフィルムネガを現像に回します。

    したがって、私達がその完成形を初めて見るのは試写室になります。
    試写にはスポンサーから代理店、制作会社、監督と勢揃いしています。
    私はその頃まだ下っ端でしたので、試写室の出口の近くの椅子に
    座っていました。
    それには2つの理由があります。

    1.ミスがあったら思うと怖くて奥の席に座れなかった。
    2.ミスが分かったら、すぐに走って現像やフィルムレコーディング担当者の
    スケジュールを押さえるため。

    正直、試写の映像をまともに見れず、いつも俯いていました。
    試写が始まると、誰かが「あっ」と言うのです。
    その「あっ」の一言で1週間帰れないことが決まります。
    そして多くの担当者が泊まり込みになるのです。
    だから、今でも「あっ」がトラウマになり、その声をきくと無意識に心臓が「ドキッ」
    とします。
    それぐらい胃の痛いのが試写でした。

    そんな時代が終わり、ついにフィルムからビデオテープになり、
    1インチテープというものが納品形態になりました。
    1インチ機
    これでCGデータ-から直接ビデオテープに収録できるようになりました。
    クライアントに見せる前に、上のモニターで自分ひとりでも確認できます。
    それで問題があったらCGスタッフのみにそっと言えるので、気が楽です。
    泊まり込みになるのは変わりませんが。

    ちなみに、チェック時に良く使われるのは以下のテープです。
    U-matic.jpgu-maticデッキ
    正式にはU-Maticといいますが、日本では4分3といいます。
    要は3/4インチのテープのことです。

    このテープには専用の編集機があり、映像に合わせて音を入れたり、
    カットつなぎなどが簡単に出来ます。
    私もさんざんやりました。
    このテープは便利だったために最近まで使用している会社もありました。

    このテープでチェックし、関係者が持ち帰るためにVHSテープにコピーします。
    多いときには10本ぐらい用意しました。

    次にBETACAMになり更にコンパクトになりました。
    betacam.jpg
    そしてD-1テープになり
    d-1.jpeg
    ついにデータの状態でハードディスクやインターネットをつかって、
    直接、納品できるようになりました。

    今では関係者が集まることも無く、各自が別な場所でネット上のデータを
    共有しチェックすることも珍しくありません。

    関係者と会わずに終わった仕事もよくあります。

    すごい進化です。

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    ジャンル : 映画

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    プロフィール

     野口秀昭

    Author: 野口秀昭
    30年近くCG映像業界に身を
    置き、CM、展博、ゲームなど
    の映像を担当し受賞作品や
    有名タイトルを多数制作

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