ロードオブザリング
  • 名作紹介
  • 2015-01-01

  • 2015年初めての記事は名作紹介、「ロードオブザリング」3部作です。
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    実は31日の大晦日にNHKBSで1話、2話と3話が放映されました。
    16時から次の日、つまり年明けのAM1時半ちかくまで連続で放送され、
    お陰で年が明ける瞬間を見逃してしまいました。

    情報は以下になります。

    監督 ピーター・ジャクソン
    公開日 2001年、2002年、2003年
    製作費は3作合計 約300億円以上
    興行収入は3作合計 約3000億円以上

    この作品はJ・R・R・トールキンというイギリスの文献、言語学者が
    1937年から書き始めて1954年に出版された「指輪物語」の映画化です。
    この学者は自分の能力を発揮しエルフ語という新しい言語をつくりあげ、
    文化や風習までとことん拘って書きあげたファンタジー小説です。

    現在、私達が映画やゲームなどで楽しんでいるファンタジーものは
    すべてこの作品から発展した
    といっても過言ではありません

    映画はニュージーランドとアメリカとの合作で、撮影、製作はニュージーランドが
    メインで製作しました。
    これを皮切りにニュージーランドは映画製作地として名乗りをあげる
    ことになります。

    この作品の製作開始のニュースがながれたとき、アメリカ人の友人が、
     「指輪物語」は子供の頃にかならず学校で読まされる。
     だから皆がそれぞれにイメージを持っているので、映画化には
     非常に勇気がいる。
    と言っていました。
    今まで映画化されなかったのは映像技術的に不可能な点もありますが、
    失敗したくないというのが本音だったそうです。

    そういう作品に挑戦するのですから半端ない拘りを持つ監督が名乗りをあげます。
    この作品の拘りは映像技術においても目をみはるモノがあります。
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    まず、ホビット(手前の4人)と後の人達の身長の差です。
    ホビットは小人の種族なので、このような見せ方をしなければ
    なりません。
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    ご覧のように実際には身長差はありません。
    この技法は別々に撮影した後で合成します。
    撮影手順を考えると嫌になります。
    更にお互いに絡むシーンになると考えるだけで気が遠くなります。

    また、この作品では多くのCG技術が開発されました。
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    群衆プログラムです。
    沢山の群衆が戦ったり、走ったりするCGのプログラムです。
    お互いにぶつからないように、避けたりもします。
    そして敵と出っくわすと戦いが始まるようになっています。

    このプログラムは3,4年後に私達のCG業界にソフトとして売られて来ました。
    その時期に邦画でよく群衆が出て来たのはそういう理由もあるのです。

    ただ、この作品の最高傑作はこれです。
    ゴラムという名で登場します。
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    この作品を見て、
    ずっとこういう人がいるのだと思っていた人もいました。
    私達、プロから見ても驚きべきCGです。

    身体の動きに合わせて筋肉や皮膚もちゃんと動いています。
    手や耳が光で透き通るところでは血管も透けてみえます。
    爪の中などもちゃんと汚れがついています。

    究極の拘りと言っても良いでしょう。

    このゴラムの動きに関してですが、実は全身ブルー姿の人が
    主人公達と同時に撮影されます。
    ブルー姿の人には特殊な小さなボールが多数ついていて、そのボールの位置を読み取る装置で動きをCGに変えることが出来ます。

    これを「モーションキャプチャー」といいます。
    この技術はいずれ記事にしたいと思います。

    ちなみに、このブルー姿の人はアンディ・サーキスというイギリスの俳優です。
    彼は是非ともこの作品に出演したいと思い監督に自分のビデオを送りつけました。
    結果は採用されませんでした。

    しかし、監督が彼の動きを気に入り、このゴラムの「モーションアクター」
    に採用したのです。
    当然、彼は動きだけで映像に登場するのはCGのゴラムです。
    後日談ですが、彼の動きは非常に評判になり「キングコング」「猿の惑星 新世紀」
    「ゴジラ」などの「モーションアクター」としてハリウッドで売れっ子となります。

    あいかわらず顔は出ませんが・・

    この作品は原作の小説から徹底的に拘って書かれものですので、
    映画化も並はずれた拘りで取り組んだお陰で大成功となりました。

    建物のデザインや服装や鎧、小物まで素晴らしいデザイン設定がなされ、
    撮影技術や映像技術は他の作品の追随を現在でも許していません。

    リアル思考からどこを見ても隙はまったくありません。

    名作と言えるでしょう。

    あとは好き好きだけです。
    戦いばっかりと言う人もいますし、登場人物が多すぎて難し過ぎる
    という人もいます。長すぎるという意見もあります。

    ただ、長編の小説を見事に映画という映像に落とし込み
    6年(ホビット編も含む)もの間、私達を楽しみにさせた映画作品は
    この作品しかありません。

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    プロフィール

     野口秀昭

    Author: 野口秀昭
    30年近くCG映像業界に身を
    置き、CM、展博、ゲームなど
    の映像を担当し受賞作品や
    有名タイトルを多数制作

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