ゴラムはどうやって制作したか
  • 映像技術
  • 2015-01-09
  •  
    名作紹介「ロードオブザリング」のときにゴラムについてすこし述べました。
    今回はもう少し動きと合成について詳しく書きたいと思います。

    撮影時にはモーションアクターといわれる役者が動きを演出しています。
    下は顔が出ないゴラム役のアンディ・サーキスさんです。
    yubiwa01.jpeg
    身体についている小さなボールから、3次元のデータを
    特殊なカメラで
    読み取ることで動きが再現できます。
    それを「モーションキャプチャー」といいます。
    vicon.jpg
    奥にあるのが特殊なカメラです。

    顔にも小さなボールをつけると、顔用のカメラで
    表情やしゃべりなども再現することが出来ます。
    apes02.jpg
    このショットは新「猿の惑星」のものですが同じ技法をつかっています。

    もちろん、CGキャラクターのクオリティーも驚くべき技術ですが、
    動きや顔の表情は、このようにアクターがおこなっているわけです。

    この特殊なカメラは外にだしても問題ありません。
     
    したがって野外でも背景と同時に撮影することができます。
    apes03.jpeg
    このように撮影し、アクターをCGに置き換えることができるのです。

    なぜ、このような面倒なことをするかというと
    背景となじみが良くなるという理由もありますが、
    apes08.jpg
    人との絡みがあったり、
    apes06.jpeg
    apes07.jpg
    上の絵はテスト段階絵ですが、CG以外(馬など)と絡むからです。

    この段階で気付いている人もいるかもしれません。

    上の絵がテスト段階なのでお分かりなように
    余計なもの(業界用語ではバレといいます)があります。

    そうです。猿のCGからはみ出しているモノがあります。
    もちろん消します。
    手で消して背景を描く場合もありますし、
    登場人物が居ない(業界用語では空舞台といいます)
    背景を別に撮って合成する場合もあります。

    以前の記事でモーションコントロールカメラについて触れましたが、
    カメラの位置情報もデータ化されるので、
    空舞台でもう一度撮ることが出来ます。
    その背景を合成するときに使用するのです。

    このように面倒な手順を積み重ねることで
    apes04.jpg
    ご覧のようにリアル感がさらに増すわけです。

    「モーションアクター」は最新技術が生み出した役者です。
    私も14年前からゲームやCMでお付き合いさせて頂いています
    劇団の方々が多いのですが、動きにも癖があって、ゲームのあのキャラは
    あの人と決まっているのです。

    顔が出ないのですが、面白いですね。


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    ジャンル : 映画

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    プロフィール

     野口秀昭

    Author: 野口秀昭
    30年近くCG映像業界に身を
    置き、CM、展博、ゲームなど
    の映像を担当し受賞作品や
    有名タイトルを多数制作

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