そこのみにて光輝く
  • 映画批評
  • 2015-03-22

  • 今回も小説から映画化された作品です。

    そこのみにて光輝く
    sokonomi01.jpg
    公開  2014年

    この作品の作家の佐藤泰志は
    函館の高校在学中に有島青少年文芸賞の優秀賞を受賞し、
    数々の受賞作品を手がけたが、41歳の時に自殺しています。

    内容は函館を舞台にしていますが、非常に重い作品です。

    採石場のダイナマイトの技術者だった主人公(綾野剛)が
    部下を死なせたことで酒におぼれた生活をしている中で
    パチンコで知り合った少年院から出た保護観察中の青年(菅田将暉)と知り合う。
    そして誘われるまま訪れた青年の家。
    そこには脳溢血で寝たきりの父親、その看病で疲れ切っている母親。
    その家族を養う為に体を売っている姉(池脇千鶴)。
    姉を好きになった主人公が元の仕事に復帰することを決意し
    姉と一緒になり、弟にも自分の仕事を紹介することを提案する。
    ただ、姉には愛人扱いする弟の仕事を斡旋している町の世話人がいて
    姉弟の邪魔をする。

    映像は昭和を思い出すようなちょっと古い色彩の感じで、
    地方でどん底の貧困家族を見事に描いていました。

    カメラも寄りきらず、引ききらずでいいアングルです。

    保護観察中で仕事にありつけない学もない青年を
    見事に演技している弟役の菅田将暉
    sokonomi03.png
    彼は彼なりに、それでも何とかしたいともがいている

    安い金で体を売って家族を養っている姉役の池脇千鶴。
    体を張った演技で日本アカデミー賞の主演女優賞の優秀賞を受賞しています。
    sokonomi02.jpg
    良い表情です。

    どうしようもない状況でも家族の為に
    必死に生きようとしているのは良く描いていました。
    異色の家族愛と言ったところです。

    ハッピーエンドじゃないのも現実感がありました。
    あまりにも重いのでお勧めはしませんが、

    生きていくという事の厳しさを嫌というほど
    教えてくれる作品です。

    もちろんこれも映画じゃなくドラマレベルではありますが、
    確かに地上波で流せない内容ですので映画化は致し方ないところです。

    主人公の綾野剛を初めて知ったのは、
    2011年のNHK朝ドラ「カーネーション」で、
    主人公尾野真千子の不倫相手として出演していました。
    最近、私が取り上げる作品でもいろいろと出演しています。

    姉役の池脇千鶴を初めて知ったのは、
    これも2007年のNHK大河ドラマ「風林火山」で
    武田信玄の正妻の三条夫人として出演していました。
    計略結婚の幼い役でしたので童顔の顔が合っていましたが、
    こんな汚れ役を演じられるようになったのですね。

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    ジャンル : 映画

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    プロフィール

     野口秀昭

    Author: 野口秀昭
    30年近くCG映像業界に身を
    置き、CM、展博、ゲームなど
    の映像を担当し受賞作品や
    有名タイトルを多数制作

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