映写機の進化
  • 映像技術
  • 2014-12-14
  •  
    *ここで述べる技術は一般の方に分かりやすくするためにシンプルに書いています。

    最近は映写機を知らない若い人が映像業界に入って来るようになりました。
    さびしい話です。
    そのためにもあえて記事にしていきたいと思います。

    映写機とはフィルムをスクリーンに投影する機械です。
    映写機01 
    フィルムの種類はいろいろとあり、以下が代表的なサイズです。
    film.jpg  
    そのサイズに合わせて当然、映写機もいろいろとあります。

    映写機やフィルムが大きく動き出したのは80年代だと思います。
    その時期は博覧会などが頻繁に開催され映像技術が大きく発展しました。
    私がちょうどその時期に業界に入れたのは幸運だったと思います。

    当時のフィルムは35mmが一般的でした。
    上の右端がそうです。
    真ん中の四角い中に絵が入り、この絵を1秒の間に24コマ「送り出す」ことが
    映写機の最大の役目です。

    その絵を強いライトでスクリーンに映すと観客は動画を楽しむことができます。

    35mm4pの4pとは横に穴が4つあるということです。
    この穴に映写機の中にある「爪」をひっかけて1秒間に24コマ送り出すのです。

    重いロールを
    引っ張るので穴には強い力がかかり、フイルムが「切れる」ことが
    頻繁に起きました。
    そのため、35mmは切れたフイルムをセロハンテープでつなげて
    再生できます。
    映画館のスタッフがおこなえて経済的です。
    私もよくやらされました。
    当時はCGもフィルム納品だったためです。

    技術は進化します。
    より画質の良い映像が求められるようになり、70mmが一般的になってきました。
    絵の入るところが大きくなり、ライトも強くなり、スクリーンもより反射率が
    よい材質が用いられるようになりました。

    この70mmは35mmと違って非常に肉厚で丈夫に作られていますが、
    実は良い面ばかりではありません。

    私は、70mmの20分の長さのロールを車のトランクに入れ、
    首都高を走った経験があります。
    そのときには非常に危険を感じました。
    トランクの重さで車の前輪が持ち上がったのです。
    それぐらい重いのです。

    また、35mmがこわれると「ぐちゃ」と言う感じになりますが、
    70mmはまるでガラスみたいに割れます。

    これは大きな問題です。
    映写機で一番の高価なものはレンズです。
    このレンズに70mmの破片があたると、大変な損害をうけます。

    そのため新しい技術が開発されました。

    縦に送り出すとフィルムに力がかかるので、横に送り出す方法、
    それがIMAXです。画質も格段にアップしました。
    映写機02 
    そして終に完成形が出来上がってきたのです。

    私が見て感動したのは「爪」で送りだすのでは無く、気圧で送り出すシステムです。
    技術者に説明をうけたときの感動を
    今でも覚えています。
    これでフィルムが壊れることはほぼ無くなりました。

    この進化がほとんど80年代のうちに行われたのです。

    ちなみに、70mmはセロハンテープでのつなぎは出来ません。
    ひっぱる力が余りにも大きいので耐えられないのです。
    そこで70mmはつなぎ目をレーザーで焼いてつなげます。
    実はこれも私は経験しました。
    セロハンテープと違ってやり直しがきかないので非常に緊張した作業でした。

    このように映像技術はスクリーンの裏で進化してきたのです。
    詳しくかくと書ききれなくなりますので、大まかな流れでした。

    今はほとんどデジタル化して、このような「機械」を見ることが無くなりました。
    デジタル側として代表的な立場にいる者ですが、さびしいものです。

    今後、スクリーンの進化や立体映像についても記事にしていきたいと
    思っています。
    お楽しみに。


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    テーマ : 映画関連ネタ
    ジャンル : 映画

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    プロフィール

     野口秀昭

    Author: 野口秀昭
    30年近くCG映像業界に身を
    置き、CM、展博、ゲームなど
    の映像を担当し受賞作品や
    有名タイトルを多数制作

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